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       6/1(土)シンポ&デモ!「誰のためのTICAD(アフリカ開発会議)か?
         -グローバリゼーションのなかで搾取と排除に抵抗するアフリカとアジアの人々-」
           http://ticakov.hatenablog.com/entry/2013/05/10/183546

           ゲスト  チャイナ・ングバネさん (南アフリカ共和国:クワズールー・ナタール大学市民社会センター)

           シンポジスト 稲葉奈々子さん( NO-VOX 「持たざる者」の国際連帯行動 )
                    近藤昇さん( 寿日雇労働者組合 )
                    小倉利丸さん( 横浜でTICADを考える会 )
                 
           シンポジウム宣言:http://ticakov.hatenablog.com/entry/2013/06/06/231359

お知らせ 3/30「北アフリカ革命 もうひとつの世界への模索」  横浜でTICADを考える会 第2回学習会

・北アフリカ革命と日本・アフリカ関係
 高林敏之さん:西サハラ問題研究室主宰

・独裁と新自由主義からもうひとつの世界へ:チュニジア民衆の闘い
 山中達也さん:明治大学商学部助手

・ジャスミン香る世界社会フォーラムから (中継予定)
 小倉利丸さん:横浜でTICADを考える会

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日時: 3月30日(土)13:30~16:30(開場13:15)
場所: 波止場会館 4階 大会議室
交通: みなとみらい線日本大通り」駅5分、JR「関内」駅15分
地図: http://www.hatoba.jp/access.html
参加費: 500円
主催:横浜でTICADを考える会

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 横浜でTICADを考える会の第二回目のテーマは「北アフリカ革命」です。2011年1月、北アフリカのチュニジアで独裁政権が打倒されたいわゆる「ジャスミン革命」は、その後、北アフリカから中東に拡大し、現在もシリアでは熾烈な争いがつついています。

 2013年3月末にチュニジア世界社会フォーラム(WSF)が開催されます。WSFは前回のセネガルダカールの際にも「チュニジア革命との連帯」を掲げており、抑圧と新自由主義にかわるもうひとつの世界を目指す民衆蜂起を支援するという理由から、今回のチュニジアでの開催を決めました。

 北アフリカから東アフリカにかけての情勢は日本とも無縁ではありません。中東の対岸に位置する東アフリカのジブチでは、ソマリア沖の海賊対策を名目に2009年3月から自衛隊が派遣されています。2011年6月には自衛隊史上はじめて、海外恒久施設の基地が米軍基地に隣接するジブチ国際空港内に建設されました。

 北アフリカには「アフリカ最後の植民地」といわれるサハラ・アラブ民主共和国西サハラ)問題があります。西サハラは1976年から隣国モロッコの軍事的支配下にあります。日本政府は西サハラを国家として承認せず、TICADにも招待していません。日本の国連常任理事会入りを支持するモロッコへの配慮からです。

 北アフリカ革命を、日本とアフリカの関係から考えます。お話は、長く西サハラ問題に携わってきた高林敏行さん、2006~09年までチュニジアに留学されていた山中達也さんです。WSFチュニジアに参加中の小倉利丸さんと中継を予定しています。

「『アフリカ開発支援』に対する批判的視点-南アの現状と歴史(含日本の関わり)を手がかりに-」

「アフリカ開発支援」に対する批判的視点 南アの現状と歴史(含日本の関わり)を手がかりに
大友深雪 (横浜でTICADを考える会)
※横浜でTICADを考える会の結成準備会での発言(2013年1月16日)


◇ 「アフリカは蜂起しなければならない」
 ANC政権が誕生してから19年が経過した今、政権内の汚職、エイズ対策の大失政、一部黒人の超富裕化と黒人中産階層の出現で圧倒的多数の絶対的貧困層との格差の拡大に苦しむ南ア民衆は、まるでアパルトヘイト時代の白人政権を彷彿とさせるような状況に直面しています。
 民衆の苦しみから目を背けるANC政権は自分たちの特権維持のために、警察や軍隊の権限を強化し、秘密法(機密情報漏洩を防ぐという名目で内部告発者を処罰する)を可決しています。もちろんそんなことでは貧困層・労働者のストライキや警官との衝突はなくなりません。昨年8月にはマリカナ鉱山での労使紛争から34人の鉱山労働者が射殺されるという大事件になりました。このとき適用されたのはアパルトヘイト時代の暴動鎮圧法でした。この事件の背景には極端な貧富の格差があると報道した2012年11月1日付けの朝日新聞では南アのクワズールー・ナタール大学のパトリック・ボンド教授がこう述べています。「白人に加え、ごくわずかな黒人の超富裕層が存在する。世界でも有数の極端な貧富の格差が確執を生み、経済を圧迫している。」
 パトリック・ボンドさんは、『TIME』に掲載された「Africa Rising/台頭するアフリカ」というアフリカの経済発展に期待を寄せる集記事を皮肉って、「Africa should be Uprising/アフリカは蜂起しなければならない」という批判記事を書いてます。その批判記事ではアフリカの現状をこう伝えています。

「アフリカの経済的退潮(再生不可能な資源の枯渇も勘定に入れると、年6%の退潮率となる)は、奴隷制と植民地主義がアフリカ大陸をその低開発状態に閉じこめてきた過去数世紀にわたってアフリカ外からもたらされ、さらに最近増幅された促進剤に依るところ大である。」
「低迷する海外援助―そのほとんどは『か弱き14カ国』以外にとっては、いずれにせよ“まぼろし”でしかなかったものだがー、米国主導でHIV/AIDSとマラリアと闘う資金援助のさらなる減額があり、2005年に何百億ドルの海外債務帳消し(返済不可能な独裁者への忌むべき債務の)があったが、同時にかけられた低収入のアフリカ財政当局への引き締めが直後の債務返済高の高騰を引き起こした。中国と西側諸国によるアフリカの自然資源の同時集中的略奪が鉱物・石油資源の急激な減少をもたらした。」
「携帯電話の急速な流布というが、その高額維持費とインターネットへの接続性の低さ故に、IT識字率の格差を埋めることにはほとんど繋がらない。ここ数十年、銀行がアフリカへの関心をますます独占し、西側及び東側の金融市場へのエリートによる投資が、援助を出し抜いており、1970年~2010年のアフリカ大陸からの資本流出は1兆4千億ドルだと推定されている。」

南アのこのような現状を見て、私はかつてネルソン・マンデラが言った言葉を思い出さざるを得ません。彼は1993年のCOSATU(南ア労働総同盟)への挨拶のスピーチのなかでこう語り、万雷の拍手で歓迎されました。

「もし今後、ANCが私たちに対して、かつてアパルトヘイト政権が私たちにやったようなことをやるようなことがあれば、私たちは、アパルトヘイト政権に対してやったのと同じことをANCに対してやらなければならない。」

この発言を読むと、パトリック・ボンドさんの「アフリカは蜂起しなければならない」のタイトルの意味も分かるのではないかと思います。


◇ バック・トゥ・ザ・フューチャー : 南アフリカ編
ぜ現在がこうなっているのかを知るために歴史をさかのぼって学ぶというジンバブエの歴史教科書を見たことがあります。これにならって南アの歴史をさかのぼりながら見てみましょう。
 現在、南アはグローバリゼーション経済の只中で格差が拡大しています。このグローバル化への参入は1996年にさかのぼります。この年、憲法制定とともに金融政策・貿易の自由化、財政の健在化、諸規制の撤廃を掲げたマクロ経済戦略「成長・雇用・再分配(GEAR)」が策定されます。資本流入だけでなくルワンダ、コンゴ、アルジェリア等への武器輸出も始まっています。
 この自由化政策は1993年にマンデラが各国に投資を要請する遊説にさかのぼります。南アの白人資本の逃避防止対策もあわせて進められるのです。

じつは1990年にマンデラが釈放され、白人政権との権力移譲の予備交渉のなかで、政権獲得の条件としての「経済権」の放棄を約束するのです。つまり政治権力は黒人側が担当するが、経済権力はそのまま白人が引き継ぐという約束です。もちろんこれを裏切りと見るのは簡単ですが、平和裏に権力委譲をするための苦渋の選択であったともいえます。
 アパルトヘイト体制は1960年以降、きわめて暴力的になります。この年の3月21日、身分証明書の常時携帯を黒人に義務付ける法案に反対したデモに警官隊が発砲し女性や子どもを多数含む69人が射殺されたシャープビルの虐殺がありました。もちろんそれ以前もひどい隔離政策でしたが、この事件以降、世界中で非難の声が上がり、黒人と白人の闘争も熾烈になっていきます。
 ANCは1955年には「自由憲章」を採択し、経済権を含めた全権力と全ての富を全人種で再分配することを宣言します。そのANCは南ア連邦が成立した1910年の翌々年に結成されています。このときすでに黒人たちは農業経営が困難な不毛な土地においやられており、富と権力はオランダ系(農業と政治)とイギリス系(工業と商業)の白人によって握られていました。それはオランダとイギリスによる二度のボーア戦争(1880年、1886年)でもたらされた権力構造でした。イギリスの植民地化開始は1806年、オランダはそれに150年ほど先立つ1650年から植民地化を開始します。


◇ 日本:不名誉な名誉白人として
 ここでアパルトヘイト体制と日本とのかかわりについて振り返っておきましょう。

日本は1930年に名誉白人をするよう南ア政府に要請していますが、それは戦後になって実現します。先ほどもいいましたが対立が激化した1960年に国連をはじめ各国でアパルトヘイト体制への批判が高まるなか、日本はこの隙をついて名誉白人扱いを獲得するのです。日本における反アパルトヘイト運動もこのころから始まります。
 それ以降もアパルトヘイト政策に反対する黒人の運動とそれに対する厳しい弾圧が続き、85年には非常事態宣言が発令され、国連はそれに対して経済制裁を発動します。日本は火事場泥棒的に南アとの貿易を増大させ87年には対南ア貿易でトップになり国連でも名指しで非難されます。
 日本の学者、活動家、市民の反アパルトヘイト運動のいわば第二期もここから始まります。ANCの東京事務所が開設され啓発活動を開始します。1990年にマンデラが釈放され来日。Black Educational Empowermentの支援もこのころから始まります。それまでの反アパルトヘイト、日本政府・企業への抗議アクションなどからの転換です。
 TICADは1993年にTICAD Ⅰ、その後五年ごとに、1998年のⅡ、2003年のⅢ、2008年のⅣ、そして2013年のⅤになりますが、アパルトヘイト時代から続く日本の権益の延長線上にあるともいえます。

(続く)

2/27「平和と友情が築かれるアフリカと日本のために」横浜でTICADを考える会 結成トークセッション

 「平和と友情が築かれるアフリカと日本のために」

横浜でTICADを考える会 結成トークセッション

  【トーク】

・津山直子さん  動く→動かす(GCAP Japan)代表、明治学院大学国際平和研究所研究員
・茂住衛さん アフリカ日本協議会(AJF)理事、ニュースレター『アフリカNOW』編集責任者
【コーディネーター】
・大友深雪さん(横浜でTICADを考える会)

日時:2013年2月27日(水)18:30~20:30(18:15開場)
場所:横浜市開港記念会館 9号室
交通:「関内駅」徒歩10分、「日本大通り駅」1番出口徒歩1分
地図:http://www.city.yokohama.lg.jp/naka/kaikou/acces.html
資料代:500円
主催:横浜でTICADを考える会

    email:ticakov[a]gmail.com([a]を@に換えてください)

   「アフリカ、ともに成長するパートナーへ。」の掛け声も勇ましい今回のTICAD Vですが、私たちはどのような立場でアフリカの人々とつながっていけばいいのでしょうか。横浜でTICADを考える会の第1回目の学習会は、そんなヒントになるようなトークセッションを企画しました。

アパルトヘイト時代から南アのアフリカ民族会議ANC)の活動を支援し、その後も草の根の支援を続けている津山直子さんにアフリカを見据え、人々とつながるための視点とヒントを伺います。アフリカの現状を報告するアフリカ日本協議会の季刊誌『アフリカNOW』の編集責任理事の茂住衛さんからはTICADの課題と問題を提起してもらいます。ファシリテーターは、アパルトヘイト時代から南アフリカの人々の教育支援をしてきた大友深雪さん(横浜でTICADを考える会)です。

ぜひ、ご参加ください!

 

 

 アフリカ開発会議TICAD)とは? 
 61日から3日まで横浜で「アフリカ開発会議TICAD)」が開かれます。TICADとは、Tokyo International Conference on African Developmentの略称で、アフリカの開発をテーマとする国際会議です。1993年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行等と共同で開催し、5年に1度、首脳級会合を東京で行ってきました。2008年の第4回目(TICAD IV)からは横浜市で開催されており、5回目の今回(TICAD V)も横浜で開催されます。
TICAD V
に向けた横浜市のキャッチフレーズは「アフリカ、ともに成長するパートナーへ。」です。TICADには「民間セクター」と称して日本の民間企業が大きく関与しており、政府と企業が一体となってアフリカ進出を促進する基盤をつくることによって、アフリカ自身も成長するという考えが根底にあります。

 

 “Africa Rising”ではなく“Africa should be Uprising” 

 2012123日号の『TIME』誌の特集は「Africa Rising:成長するアフリカ」。アフリカの成長は、HIV/AIDSやマラリア対策の援助、債務帳消し、天然資源開発など、海外からの援助や投資などによって促進されてきたというもので、今後のビジネスチャンスをうかがわせる内容でした。しかし南アフリカ・クワズールナタル大学のパトリック・ボンド教授が債務帳消し国際ネットワークJubilee Southに掲載した「Africa should be Uprising:アフリカは蜂起すべきだ」という批判記事では全く逆の事実が記されています。再生不可能な資源の枯渇を勘定に入れたアフリカの「経済的後退」は年6%にもなり、それは数世紀にわたる奴隷制と植民地主義による「低開発」が根底にあり、この間の西側諸国の諸政策がそれをいっそう促進していると批判しています。「貧困と絶望の崖」に追いやられてきた最貧国14カ国にはわずかながらの「援助」の増加が見受けられるも、HIV/AIDSとマラリアと闘う資金援助のさらなる減額、そもそも返済不可能な不良債権を帳消ししただけの債務帳消し、帳消しの条件とされた緊縮財政によって人びとの生活は苦しいまま、西側諸国や中国によるアフリカの自然資源の同時集中的略奪がアフリカを襲い、金融機関を通じた1970年~2010年のアフリカ大陸からの資本流出は14千億ドルにのぼるといいます。

 

 アフリカ、ともに抵抗/連帯するパートナーへ。 

 大友さんは南ア支援にかかわったきっかけをこうのべています。「アパルトヘイト政策と闘うANCが掲げた理念である“Freedom Charter”(自由憲章)に感銘を受けたのです。自由憲章はこう述べています。『人民が統治する。全民族集団は平等な権利をもつ。人民は南アの富を分かち合う。土地はそこを耕す人民が分かち合う。全人民は法の下で平等である。全人民が平等の人権を享受する。仕事と働く権利が保障される。学問と文化への扉が開かれる。家と安全と安寧が保障される。平和と友情が築かれる。』現在のANC政権はこの理念を投げ捨てているかのようですが、アフリカの人々とつながる視点として、また日本社会の変革にとっても重要な視点ではないでしょうか。」

 企業優先の「アフリカ、ともに成長するパートナーへ。」ではなく、すべての人が富を分かち合う平和と友情が築かれる世界のための「アフリカ、ともに抵抗/連帯するパートナーへ。

 

  今後の予定 
 3月末には、アフリカ最後の植民地といわれる西サハラ問題をはじめマグレブ地域の民主化やチュニジアで開かれる世界社会フォーラムなど北アフリカについて、4月末にはコンゴをはじめアフリカ各地で被害が拡大している資源・土地収奪の問題などをテーマに学習会を予定しています。TICAD開催中にも市民の立場からのイベントを企画します。またこの間のマリでのフランスによる空爆とそれに伴うアルジェリアでの人質事件など、軍事化の問題にも関心を向けていきます。ぜひご参加ください。

横浜でTICADを考える会、できました

61日から3日まで横浜で「アフリカ開発会議TICAD)」が開かれます。TICADとは、Tokyo International Conference on African Developmentの略称で、アフリカの開発をテーマとする国際会議です。1993年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行等と共同で開催し、5年に1度、首脳級会合を東京で行ってきました。

2008年の第4回目(TICAD IV)からは横浜市で開催されており、5回目の今回(TICAD V)も横浜で開催されます。TICAD Vに向けた横浜市のキャッチフレーズは「アフリカ、ともに成長するパートナーへ。」です。TICADには「民間セクター」と称して日本の民間企業が大きく関与しており、政府と企業が一体となってアフリカ進出を促進する基盤をつくることによって、アフリカ自身も成長するという考えが根底にあります。

「アフリカ、ともに成長するパートナーへ。」の掛け声も勇ましい今回のTICAD Vですが、私たちはどのような立場でアフリカの人々とつながっていけばいいのでしょうか。

わたしたち「横浜でTICADを考える会」は5年前のTICAD IVの際に民間企業が主導するアフリカ開発とは違う視点から、連続学習会を開催します。企業優先の「アフリカ、ともに成長するパートナーへ。」ではなく、すべての人が富を分かち合う平和と友情が築かれる世界のための「アフリカ、ともに抵抗/連帯するパートナーへ。」

ぜひご参加を!